「カミソリ負け」しない、6つのポイントとコツ
カミソリ負けとは
カミソリ負けとはカミソリを使って体毛を剃る際に、体毛と共に必要以上の皮膚を剃り落としてしまい、 肌に『ヒリヒリした状態・出血・かゆみ』などの炎症を起こすことです。
カミソリ倶楽部では体毛の中でも特に目立つ箇所にある「ヒゲ」を対象として、カミソリ負けの原因や対策をご紹介いたします。
カミソリ負けの原因は何か
カミソリ負けの原因は沢山ありますが、代表的なものは下記の4つです。
- 髭の剃り方と手順
- 疲れや脱水症状からくる肌のコンディション
- カミソリのホルダーの問題
- 元々の肌質
が考えられます。
「1」「2」は自分自身で対策を考え、正しいウェットシェービング(髭剃り)を行う事でカミソリ負けを回避する事ができますが、「4」に関しては通常のカミソリ負けの原因以外の肌の問題も考えられるためきちんとした医師のアドバイスが必要となります。
このページでは、まず「1」「2」の対策として、カミソリ負けしない、正しいウェットシェービング(髭剃り)を解説します。カミソリ負けを恐れてウェットシェービングを敬遠されていた方も是非お試しください。
そして最後に、「髭剃りは面倒臭い行為ではなく男だからこその朝の儀式なんだ!」と感じていただければ嬉しいです。
「ドライシェービングとウェットシェービング」
ウェットシェービングとはカミソリを使った水を必要とする髭剃りであり、対して水を使わない髭剃りをドライシェービングと言います。ウェットシェービングは刃物を直に肌に充て鋭利な刃でヒゲと同時に古い角質も剃り落とすことができますが、キチンと水分を肌に含まないとカミソリ負けを引き起こす原因となります。一方、ドライシェービングはスポット状に穴が空いてある網刃の中にヒゲを入れ高速モーターで回転する刃によって切断します。正しくは剃るではなく芝刈りのように刈るというイメージになります。
ここではカミソリ負けにお困りの方々、そしてより快適にウェットシェービングを愉しんでいただきたく読んでいただいた最後に「髭剃りは面倒臭い行為ではなく男だからこその朝の儀式なんだ!」と感じていただければ嬉しいです。
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※音声はありません。サイレンス動画&倍速となります。
1. ヒゲを剃る前に顔を濡らす
ヒゲは乾いた状態では銅線と同じ硬さがあります。ヒゲが硬い状態のままカミソリでヒゲを剃ると、刃に抵抗が生じてヒゲと一緒に皮膚を持ち上げ一緒に表皮を剃ってしまい出血してしまいます。それがカミソリ負けの原因にもなるのです。
カミソリ負けを防ぐためにまず大切なのはヒゲに水分を含ませること。ヒゲは水分を含むと約40%膨張し柔らかくなります。これによってカミソリでの切断が容易になります。
まずはひげ剃り前の洗顔で髭を柔らかくします。髭に十分な水分を含ませるために、お湯やぬるま湯で念入りに洗顔します。この段階では石鹸を使わず、お湯だけで大丈夫です。
水分は温かい方が吸水性を増します。理容店でのせてもらうあの気持ちいい蒸しタオルは、蒸気が毛穴を開きヒゲの奥まで水分を与えると同時に角質をふやかし剃りやすくする意味があるのです。
→ ご自宅でできる蒸しタオルの作り方も紹介していますのでお試しください。
2. 肌に直接カミソリをあてない
肌に何もつけずにカミソリをあてると、肌を傷つけてしまう原因になります。必ず石鹸やシェービングクリーム・フォームなどをつけることで、カミソリと肌に1枚の膜を貼るようにしましょう。
ここでは、シェービングブラシで石鹸を泡立てる方法を紹介します。この行程は単に泡を作るだけでなく、ブラシで毛穴の奥の汚れを掻き出しながら髭の奥まで水分を含ませるので、自然と深剃りが効くようになるという意味があります。
またブラシの毛先が肌の表面をマッサージする事で新陳代謝が活発になり、血行の良いみずみずしい健康な肌になることでしょう。
そのためにも、おすすめするのはアナグマ毛のシェービングブラシです。アナグマ毛のヒゲブラシは毛自体が細く他のヒゲブラシの種類に比べて非常に泡がきめ細かいのが特徴です。
ぬるま湯でシェービングマグカップまたは手の平の上の石鹸を溶き、アナグマ毛のシェービングブラシを使って顔の上で泡を立てます。 ブラシ部分を濡らして適度に水分を含ませ、ソープの中で円を描きながら泡立てます。
ブラシの先端にソープを擦り込むイメージで泡立てながらブラシを写真のように上下に動かし空気を毛に含ませてより細かい泡を立てていきます。
石鹸をよく擦り込んだブラシで、頬の上を円を描くようにして泡立てていきます。
3. 力をいれすぎず、何度も刃をあてない
カミソリをあてる時は、まず余分な力を入れずに頬の上からあごの下にかけてカミソリを滑らせるように、髭の向きに沿って剃り落していくことが大事。
いきなり逆目に刃を当てると、カミソリの刃に必要以上の抵抗が発生し皮膚が引っ張られてしまいます。引っ張られた皮膚は髭と一緒に削られてしまうことがあります。皮脂や古い角質を適度に削る事は、新陳代謝を高め健康な肌を保つ効果があるとされていますが、必要以上に皮膚を削ってしまうと肌はダメージを受けて敏感になります。
カミソリ負けのヒリヒリや赤みや腫れは、こういった肌のダメージによって引き起こされます。
また、剃る回数が多くなると、その分肌が傷つきやすくなります。小刻みに何度も剃るのではなく、一回のストロークを大きく保つように心がけてください。理容師用語ではヒゲの流れに剃った頬から顎下へ、の上から下にかけてのヒゲ剃りのみを行い、逆剃りをしないことをワンシェーブといいます。ワンシェーブできれいに仕上げることができれば肌への負担も少なく済みます。
『頬・アゴ・モミアゲの下・鼻の下・フェイスラインの硬いヒゲ』などもはじめのひと剃りは必ず髭の向きに沿って剃り落としてください。
ヒゲを残している方は、残す部分はそのままにして、細かい部分を剃り落としていきます。全てを剃る方は、鼻の下部分、顎部分も同じように剃り落としていきましょう。
使い捨ての軽いカミソリで剃った場合、意図しない力の強弱で剃り残りが発生し、それをカバーするために過剰な逆剃りをしてしまうことがあります。 深剃りになりがちな逆剃りを重ねることで肌を痛め、カミソリ負けを起こす原因となります。
適度に重みのあるカミソリを使うことで手元を安定させ、順剃りできれいにヒゲを剃り落とし、逆剃りを最小限にとどめることは、肌を痛めずカミソリ負けをしない大きなポイントになります。カミソリの重さを感じながら、一定の圧力で剃り落とすことを心がけてみてください。
4.逆剃りをする時には、もう一度石鹸を
全体を上から下にそり落としたら、剃り残しが気になるところを、今度は下から上に毛の流れに逆らって「逆剃り」します。
逆剃りは肌への負担が大きくなりがちです。この「逆剃り」を行わなければ、ほとんどの人はカミソリ負けから解放されるでしょう。しかし、ツルツルさは無いのでどうしても剃り残した感があります。逆剃りを行う場合は、もう一度潤滑剤である石鹸を肌につけてから行い、できるだけ肌にムダなダメージをあたえないようにピンポイントで剃りましょう。
ヒゲの方向から45度程度ずらしてそりあげるのもコツ。肌との抵抗を弱め、肌への負担を軽減します。
カミソリを持った手と反対の手で皮膚を中央に引っ張り、髭を表面に露出させるときれいに剃ることができます。
ただしこのような剃り方は肌に負担をかけるので、できるだけ刃と皮膚が触れ合う面積を少なくするよう心がけてください。
5. しっかりすすいでアフターケアを忘れずに
シェービングが済んだ後は、しっかりすすぎの洗顔をすることが大切です。お湯(ぬるま湯)で顔をしっかりすすぎましょう。石鹸の成分が顔に付着したままにしておくと、肌荒れの原因にもなります。
肌が若干火照ったように熱を持つことがあります。そんなときは、すすぎの最後に冷水を使用することも効果的。火照った肌を引き締めるのと同時に開いた毛穴を閉じさせ、顔全体をシャープに見せる効果があります。
夏場はアルコール性の殺菌性のアフターローションでお肌を引き締めるのも爽快てす。ですが、ウェットシェービング(髭剃り)後の肌は、石鹸により顔の脂分が不足し、またわずかながらもカミソリで肌に細かい傷がついているものです。鏡に映るご自身の顔には傷も何もないのですが、ローションをつけると「しみるー!」となる場合もございます。
敏感肌の方には刺激が強い場合もございますので、その場合はアルコールフリーのタイプ、もしくは乳液できちんとケアすることをおすすめいたします。
冬場のさらに乾燥している時期は保湿性のある乳液タイプを選び、特に口元の周りは擦り込むように念入りに乳液を付けると良いでしょう。敏感肌の僕(竹内)は、シェービングの前後にメンターム or メンソレータムをうすーく塗り込んでいます。
6. 時には肌を休ませる
カミソリの技術の進化は本当に素晴らしいです。技術者が切磋琢磨して今ある、肌に優しいカミソリがあります。でも、どんなにカミソリが進化しても肌のコンディションは日々変化するものです。荒れているな、と感じた時は休日は連休を活用してヒゲを剃らずに肌を整えて上げることもおすすめです。もちろん剃らなくても日々の肌のケアは男性でも必要です。
また、シェービングの際、肌のコンディションがすぐれない時は、負担を避けて順剃りのみにしておくのもおすすめです。
ウェットシェービングの正しい手順を確認していただいたところで、その他のポイントも挙げておきます。
軽すぎるカミソリは危険。しっかりしたホルダーを
カミソリ負けの原因「3 .カミソリのホルダーの問題」にも関わる点ですが、軽いカミソリは不安定な手の圧力で刃を押しあてるため、肌を痛めたりカミソリ負けを起こす原因になります。
よく「ホテルに設置してあるカミソリを使用したらカミソリ負けをした」というお客様からのお話を聞きます。
これはカミソリの刃が悪いのでなくカミソリのホルダーの重さに関係があるのです。
適度な重さがあるホルダーを使用すれば、カミソリ全体の重さで髭を剃り落とすので、肌に与える圧力が必要以上にかかりません。
それに対し、軽いホルダーですとホルダーの重みではなく、手によってホルダーに伝える力が大きく、必要以上の圧力が肌にかかります。手元が安定しないため、知らず知らずに髭と一緒に必要以上の皮膚を削り落としてしまうのです。
軽いホルダーを使用する時はなるべく力を加えない事を意識するとカミソリ負けを防ぎ心地よく仕上げることができます。 また、この際も肌の弱い方への逆剃りはおすすめしません。
肌荒れしやすい方には枚数の多いカミソリ
カミソリの刃の枚数は多いほど深剃りが効くと思われがちですが、刃の枚数が多いほど1枚1枚の刃が肌にかける圧力が分散されるのでヒリヒリ感は軽減されて、より心地よいシェービングが体感できます。お肌がデリケートな方は刃の枚数が多いカミソリを選ぶと良いでしょう。
昔ながらのカミソリの醍醐味を味わうのであれば両刃、2枚刃。
肌に優しいカミソリとしては3枚刃以上がおすすめです。
替刃は1週間~10日で交換が理想的
替刃の交換時期は約7日~10日(1日1回の使用)くらいが理想的です。カミソリは非常に薄い刃(刃先 0.0001mm)で全体本数20,000~25,000本ものヒゲを毎日切断することになります。刃自体は使用の度にダメージを受けており、それが元で肌に細かい傷をつけてしまうことがあります。
また、逆剃りの際などに、カミソリにかかる抵抗が大きくなって、ヒゲと同時に皮膚までも持ち上げて剃り落としてしまうことがありますが、切れ味の悪い刃を使用して髭を剃った場合も、同様のことが起こります。
肌を健康に保つためにも使用期間の目安は知っておきましょう。
トリムカッターも活用できる
カミソリ(剃刀)の替刃の裏側にトリムカッターが装着されている場合は、うまく活用するのもおすすめです。4枚刃、5枚刃のカミソリは特に替刃に厚みがあるので面積の小さな部分は得意としません。ヒゲを全て剃っている方もこのトリムカッターを鼻下部分などに使用すると良いでしょう。
朝のシェービングがおすすめ
髭は朝6時~10時に最も伸びますので、やはりシェービングは朝におこなう事をおすすめします。 爽快感を味わう為にも朝がおすすめです。
余談ですが、イギリスのBBCチャンネルの特集では、朝ウェットシェービングを行う人は、肌に刃物を当てるという緊張感が脳に信号を与える事で脳梗塞になりにくいというデータが紹介されたそうです。
以上、カミソリ負けしないためのポイントをいくつかお伝えしましたが、肌のコンディションや体毛の性質は個人によってバラバラでその差も小さいとは言えません。
上記の内容をふまえて今後それぞれにあったケアの方法を追求していただき、毎日の生活で心地良い髭剃りを体験して頂けるようになれば幸いです。
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